5 企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(反社指針)

 平成19年6月19日,犯罪対策閣僚会議幹事会申合せとして,「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(反社指針)及び「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説」(反社指針解説)が策定されています。
 反社指針及び反社指針解説の詳細については, 法務省HP「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について 」 をご覧下さい。
 反社指針の規定する内容は,概ね,以下の表のとおりとなります。


基本原則
基本的な考え方
平素からの対応
有事の対応
組織としての対応
●反社会的勢力による不当要求は,人の心に不安感や恐怖感を与えるものであり,何らかの行動基準等を設けないままに担当者や担当部署だけで対応した場合,要求に応じざるを得ない状況に陥ることもあり得るため,企業の倫理規定,行動規範,社内規則等に明文の根拠を設け,担当者や担当部署だけに任せずに,代表取締役等の経営トップ以下,組織として対応する。

●反社会的勢力による不当要求に対応する従業員の安全を確保する。
●代表取締役等の経営トップは,組織としての対応を基本方針として社内外に宣言し,その宣言を実現するための社内体制の整備,従業員の安全確保,外部専門機関との連携等の一連の取組みを行い,その結果を取締役会等に報告する。


●反社会的勢力による不当要求がなされた場合には,当該情報を,速やかに反社会的勢力対応部署へ報告・相談し,さらに,速やかに当該部署から担当取締役等に報告する。
●反社会的勢力による不当要求が発生した場合の対応を統括する部署(以下,「反社会的勢力対応部署」という。)を整備する。反社会的勢力対応部署は,反社会的勢力に関する情報を一元的に管理・蓄積し,反社会的勢力との関係を遮断するための取組みを支援するとともに,社内体制の整備,研修活動の実施,対応マニュアルの整備,外部専門機関との連携等を行う。
外部専門機関との連携
●反社会的勢力による不当要求に備えて,平素から,警察,暴力追放運動推進センター,弁護士等の外部の専門機関(以下,「外部専門機関」という。)と緊密な連携関係を構築する。
●反社会的勢力から不当要求がなされた場合には,積極的に,外部専門機関に相談するとともに,その対応に当たっては,暴力追放運動推進センター等が示している不当要求対応要領等に従って対応する。要求が正当なものであるときは,法律に照らして相当な範囲で責任を負う。
●外部専門機関の連絡先や担当者を確認し,平素から担当者同士で意思疎通を行い,緊密な連携関係を構築する。暴力追放運動推進センター,企業防衛協議会,各種の暴力団排除協議会等が行う地域や職域の暴力団排除活動に参加する。
●取引先の審査や株主の属性判断等を行うことにより,反社会的勢力による被害を防止するため,反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築する。同データベースは,暴力追放運動推進センターや他企業等の情報を活用して逐次更新する。
取引を含めた一切の関係遮断
●反社会的勢力とは,取引関係を含めて,一切の関係をもたない。また,反社会的勢力による不当要求は拒絶する。
●反社会的勢力とは,一切の関係をもたない。そのため,相手方が反社会的勢力であるかどうかについて,常に,通常必要と思われる注意を払うとともに,反社会的勢力とは知らずに何らかの関係を有してしまった場合には,相手方が反社会的勢力であると判明した時点や反社会的勢力であるとの疑いが生じた時点で,速やかに関係を解消する。

●反社会的勢力が取引先や株主となって,不当要求を行う場合の被害を防止するため,契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入するとともに,可能な範囲内で自社株の取引状況を確認する。
●反社会的勢力による不当要求が,事業活動上の不祥事や従業員の不祥事を理由とする場合には,反社会的勢力対応部署の要請を受けて,不祥事案を担当する部署が速やかに事実関係を調査する。調査の結果,反社会的勢力の指摘が虚偽であると判明した場合には,その旨を理由として不当要求を拒絶する。また,真実であると判明した場合でも,不当要求自体は拒絶し,不祥事案の問題については,別途,当該事実関係の適切な開示や再発防止策の徹底等により対応する。
●反社会的勢力による不当要求がなされた場合には,担当者や担当部署だけに任せずに,不当要求防止責任者を関与させ,代表取締役等の経営トップ以下,組織全体として対応する。その際には,あらゆる民事上の法的対抗手段を講ずるとともに,刑事事件化を躊躇しない。特に,刑事事件化については,被害が生じた場合に,泣き寝入りすることなく,不当要求に屈しない姿勢を反社会的勢力に対して鮮明にし,更なる不当要求による被害を防止する意味からも,積極的に被害届を提出する。
有事における民事と刑事の法的対応
●反社会的勢力による不当要求に対しては,民事と刑事の両面から法的対応を行う。
裏取引や資金提供の禁止
●反社会的勢力による不当要求が,事業活動上の不祥事や従業員の不祥事を理由とする場合には,反社会的勢力対応部署の要請を受けて,不祥事案を担当する部署が速やかに事実関係を調査する。調査の結果,反社会的勢力の指摘が虚偽であると判明した場合には,その旨を理由として不当要求を拒絶する。また,真実であると判明した場合でも,不当要求自体は拒絶し,不祥事案の問題については,別途,当該事実関係の適切な開示や再発防止策の徹底等により対応する。

●反社会的勢力への資金提供は,反社会的勢力に資金を提供したという弱みにつけこまれた不当要求につながり,被害の更なる拡大を招くとともに,暴力団の犯罪行為等を助長し,暴力団の存続や勢力拡大を下支えするものであるため,絶対に行わない。





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