7 親権

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7 親権

(1) 親権の意義

親権とは,成年に達していない子どもの監護(身上の世話)教育の権利と義務(民法第820条),また子どもの財産の管理を行うためにその父母に認められる権利と義務(民法第824条)をいいます。
 婚姻中の父母は,原則として,同時にまた共同で親権者となります(民法第818条第1項,同条第3項本文)。
 婚姻している夫婦が離婚する場合に,その夫婦間に子どもがいるときには,父母の一方が必ず親権者として定められることになっていますし(民法第819条第1項,同条第2項),父母のいずれかの単独親権となります(わが国では夫婦が離婚した後の共同親権は認められていません。)。
 わが国では親権と監護権を分けるという例はほとんどなく,少なくとも裁判所が判決等で親権者を指定するときに親権者と監護権者とを分けて指定することはありません。
 また,子どもとの面会交流も子どもの親権者の協力を得られないとなかなか実現できないという問題もある上,親権者はひとたび指定されるとその変更はほぼ不可能であることもあって,親権者に指定されるかどうかというのは大きな意味を持ちます。


(2) 親権者指定の基準

  親権者指定の基準については,一般に,以下の基準がよく挙げられます。

① 監護の継続性(現状尊重)の基準

② 母親優先の基準

③ 子の意思尊重の原則

④ 兄弟姉妹不分離の原則

⑤ 離婚に際しての有責性


 「① 監護の継続性(現状尊重)の基準」とは,親子の心理的な結びつきを重視し,子の養育監護者を変更することは,子の心理的不安定をもたらす危険があるので,子に対する虐待や遺棄・放置など子の福祉上問題となるような特別の事情がない限り,現実に子を養育看護している者を優先させるべきというものです。

② 母親優先の基準」とは,乳幼児については,特別な事情のない限り,母親の監護を優先させるべきというものです。
 「③ 子の意思尊重の原則」とは,裁判所が親権者指定の審判や判決を下す場合には満15歳以上の子の陳述を聴かなければならない(家事事件手続法第152条第2項,人事訴訟法第32条第4項)ことからみて,満15歳以上の子の意向はそれに家庭裁判所が法的に拘束されるものではないとしてもできるだけ尊重すべきであるし,満15歳に満たなくとも一定の年齢に達している子どもの意向は重視すべきであるというものです。
 「④ 兄弟姉妹不分離の原則」とは,子どもたちを同一の親のもとに置くべきであるというものです。
 「⑤ 離婚に際しての有責性」とは,離婚責任の大小を親権者の基準とするものです。


  前記①~⑤のうち,「④ 兄弟姉妹不分離の原則」と「⑤ 離婚に際しての有責性」は実務上ほぼ考慮されていません。

前記「② 母親優先の基準」及び「③ 子の意思尊重の原則」は親権者指定の審判等で考慮要素として挙げられる例こそ多く見られますが,現状では,ほぼ「① 監護の継続性(現状尊重)の基準」だけで親権者が指定されています。
 もっとも,この基準は,夫婦が同居していた状況から妻が子どもを連れて別居したことで妻が単独で子どもを監護養育しているという場合に適用されるもので,その後に夫が子どもを力尽くで奪い返したり面会交流時に子どもを連れて行って妻の元に返さなかったりした場合にまで適用されるものではないことに注意が必要です(むしろこの場合にはこのような行動を取ったことがマイナスに評価されます)。


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