裁判所の行う裁判に対する不服申立期間について 1
2011/09/10
訴訟の場合,第1審(地方裁判所,家庭裁判所または簡易裁判所)で和解等が成立しない場合には「判決」となるわけですが,この場合,判決に不服がある場合に控訴できることはよく知られていると思います。
同じように,「決定」(裁判所のする裁判で判決以外のものをいいます。)や「命令」(個別の裁判官がその資格において行う裁判)に対しても,不服申立てをすることができることがあります。
しかし,その不服申立てについては,「即時抗告」と呼ばれる方式でしか行うことできないことが多くなっています。
この「即時抗告」の期間は裁判の告知を受けた日から2週間以内というものが多いのですが,1週間以内のものも結構あり,さらには3日以内というものもあります。
また,その「即時抗告」にさらに不服申立てをしようとする場合には,「特別抗告」(各訴訟法で不服を申し立てることができない決定・命令に対して,その裁判に憲法解釈の誤りその他憲法違反を理由とするときに,特に,最高裁判所に判断を求める抗告)しか行うことができない,ということも多くなっています。
この「特別抗告」は裁判の告知を受けた日から5日以内(民事訴訟法336条2項,刑事訴訟法433条2項)となっています。
「判決」の場合,判決日が指定されているので,心の準備ができていることもあってまだよいのですが,「決定」や「命令」の場合,決定日や命令日が指定されているわけでもなく,ある日突然,「決定書」や「命令書」が事務所に届く,ということが多くなっています。
弁護士の場合,通常はその事件のみを担当しているわけではないため,裁判の告知を受けた日から1週間以内と定められている場合の即時抗告のときでも結構大変ですが,ある日突然「決定書」や「命令書」が事務所に届いたにもかかわらず,そこから3日以内に不服申立書を作成・提出するというのは,もっと大変です。
このような場合には,なんとか他の事件と調整して大急ぎで不服申立書を作成することになります。
でもこうやって大急ぎで不服申立書を作成するのに,その不服申立てに対する肝心の裁判所の判断が下されるのはどんなに早くとも3か月程度先のこと。半年ほど待たされることもしばしばです。
裁判官1人あたりが抱える事件数が膨大といわれる現状ではやむを得ないのでしょうが,こちらは大急ぎで申し立てたのだからもう少し早く判断してもらえないかなと思わずにはいられません。
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