横浜弁護士会川崎支部と地域司法 11
2011/12/17
延々とこのテーマについて書き連ねてきましたが,この回でこのテーマは終了です(全部お読み下さる方がいれば幸いです。)。
「支部ハ其地商工業ノ機関トシテ将タ保護者トシテ実ニ重大緊要ノ関係ヲ有スルハ論ヲ俟タス」という言葉は,平成23年8月14日付の当ブログ「横浜弁護士会川崎支部の課題 2」で紹介いたしました。
取引上の紛争の迅速な法的処理が期待できる「地元の裁判所」の存在は,当該都市にとって不可欠なのですが,単に裁判所が存在するというにとどまらず,その裁判所にどれほどの権限があるかというのは,当該都市にとって大きな意味を持ちます。
そして,裁判所の存在の有無,その権限の度合いによって,その近辺に法律事務所を構える弁護士数にも大きな差が生じてしまうことも,「地元の裁判所」の意味をより大きなものとしているといえそうです。
弁護士数はここ最近急増し,様々な地域で市民の方々にとって身近な存在になりつつあるように思いますが,現在でも,裁判所の近くに事務所を構える弁護士が多数にのぼります。
簡裁しかない場所の付近にはあまり法律事務所はなく,地家裁支部がある場所の付近になるとぐっと法律事務所が増え,地裁本庁がある場所の付近になると至る所に法律事務所があるという具合になっています。
たとえば,現在,横浜弁護士会には1226名の会員がおりますが,本庁のある横浜市中区に法律事務所のある会員は665名と半数以上を占め,地家裁川崎支部のある川崎市川崎区に法律事務所のある会員は102名,保土ヶ谷簡裁のある横浜市保土ヶ谷区に法律事務所のある会員は6名となっています。
そのため,地裁川崎支部において裁判員裁判や労働審判が行われるようになれば,ますます川崎地域のリーガルサービスの担い手が増加するでしょうし,川崎市の北部4区に簡裁・家裁出張所ができれば,当該北部地域に法律事務所が一気に増加することでしょう。
このように,裁判所の充実というのは,単に当事者の方の交通アクセスの問題にとどまらない意義を持っているわけです。
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