8月4日(土)第6回高校生模擬裁判選手権開催 6
2012/08/08
第6回高校生模擬裁判選手権開催 4にまとめた,湘南白百合学園高等学校が優れているポイントの続きです。
湘南白百合学園高等学校の優れているポイントその(2)
冒頭陳述,論告・弁論ともに,論じるべきポイントを押さえ,模造紙にポイントを
掲げて裁判官役等の聴衆の視覚にも訴えた上で,そのポイントに沿って的確に
論じることができていること
従来の刑事裁判では,裁判官というプロにだけ訴えかければよかったため,また,供述調書等の書面をほぼ無制限に提出できるといってよい状況であったことから,検察官・弁護人とも,とりたててわかりやすさに重点を置く必要はなく,お世辞にもわかりやすい刑事裁判がなされていたとは言いにくいところでした。
ところが,現在,重大事件に限ってではありますが,裁判員裁判が導入されています。
もちろん,裁判員の皆様は刑事裁判のプロではありませんし,裁判員裁判ではそのようなプロではない方にも理解してもらう必要から,膨大な書面を読み込んでもらうことも想定されておりません。
そのため,検察官・弁護人とも,法廷でのやりとりだけで理解してもらえるような「わかりやすい説明」が求められています。
そして,人は,だらだらと口頭で説明されるものを容易に理解することはできません。
そのため,まず,ポイントを絞って簡潔に,かつ論理立てて説明する力が求められます。
また,いかに口頭でポイントを絞って簡潔に,かつ論理立てて説明できても,文字や図をまったく見せてもらうことなく,単に口頭で説明されるだけではなかなか理解できるものでもありません。
そのため,「聴衆の視覚に訴える」ということも重要になってきます。
湘南白百合学園高等学校の場合,「この柱となるのは以下の3点です。」などと述べることで,聴衆にポイントが3つあることをまず説明して,その後の話の流れがわかる体裁がとられています。
また,模造紙を活用して裁判官役の聴衆に視覚で訴えることができており,すんなり理解できるようにも工夫されています。
そして,これらのわかいやすい説明が,冒頭陳述→尋問→論告・弁論と首尾一貫した流れに基づいてなされているのです(ポイント(2))。
ですので,大変わかりやすく,聴衆もより良く理解できるのです。
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