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「私的整理に関するガイドライン」

「私的整理に関するガイドライン」

2011/08/16

 平成23年8月22日より,「私的整理に関するガイドライン」の適用が開始されることになっています。

 このガイドラインは,平成23年7月15日に,「個人債務者の私的整理に関するガイドライン研究会」が発表したものです。
 
 このガイドラインの全文については,「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」をご覧ください。

 このガイドラインの内容におけるよくありそうな質問をまとめた「個人債務者の私的整理に関するガイドラインQ&A」も公表されています。
 こちらは,「個人債務者の私的整理に関するガイドラインQ&A」をご覧ください。

 このガイドラインは,東日本大震災の影響によって,住宅ローンを借りている個人や事業性資金を借りている個人事業主等が,破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになってしまった場合に,法的倒産手続によることなく債権者と債務者との合意に基づき,債務の全部または一部を減免すること等を内容とする債務整理についての準則を定めようというものです。
 そして,この準則を定めることで,債務者の債務整理を円滑に進め,債務者の自助努力による生活や事業の再建を支援し,被災地の復興・再活性化を図ろうというものです(上記ガイドライン「1.目的」参照)。

 このガイドラインに法的拘束力はないものの,金融機関等である対象債権者,債務者やその他の利害関係人によって,自発的に尊重され遵守することが期待されており(上記ガイドライン「2.債務整理の準則」参照),事実上の拘束力があるといえ,これに従った処理がなされることが期待されます。

  もっとも,上記ガイドラインに基づく処理を利用可能な対象債務者は,免責不許可事由がないことが必要であるなどその要件を充たすのはそう簡単ではなさそうです(上記ガイドライン「3.対象となり得る債務者」参照)。

 また,自己破産手続や個人再生手続と比べてはたしてどこまで債務者に有利なのかにも疑問が残ります。

 とはいえ,「債務者の対象債権者に対する債務を主たる債務とする保証債務がある場合,主たる債務者が通常想定される範囲を超えた災害の影響により主たる債務を弁済できないことを踏まえて,保障履行を求めることが相当と認められる場合を除き,保証人に対する保障履行は求めないこととする」(上記ガイドライン「7.弁済計画案の内容(5)」参照)ということが規定されたのは画期的といえます。

 これにより,東日本大震災の影響で到底債務を支払えなくなったものの,どうしても保証人には迷惑をかけたくないという方の場合には,このガイドラインを利用した手続が有用と思われます。

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