6 暴力団排除条例(暴排条例) (2)他の都道府県において制定されている暴力団排除条例
(2) 他の都道府県において制定されている暴力団排除条例
ア 都道府県レベルの暴力団排除条例における共通点
都道府県レベルの暴力団排除条例は,以下の点で共通しています(警察庁「平成23年の暴力団情勢」32頁)。
(ア) 公共の事務・事業からの暴力団排除の措置
(イ) 暴力団関連情報の提供,警察による保護措置等の市民・事業者に対する支援実施
(ウ) 青少年に対する暴力団排除教育の実施
(エ) 学校等の周辺200メートル区域内の暴力団事務所の新規開設・運営の禁止
(オ) 暴力団の威力利用目的で行う,又は暴力団の活動や運営を助長する暴力団員等への利益供与の禁止
(カ) 契約時,契約内容が暴力団の活動を助長するおそれがある場合,相手方が暴力団員等でないことを確認し,また,契約書等に暴力団排除条項を盛り込む努力義務
(キ) 不動産が暴力団事務所に利用されることを知って取引することの禁止
イ 都道府県レベルの暴力団排除条例における相違点
(ア) 指導の対象となる行為
大阪府においては,韓国に至らない場合においても必要な指導をすることができる旨の規定が設けられています。
(イ) 調査・勧告の対象となる行為
各都道府県において,調査・報告の対象となる行為に差異がみられます。
(ウ) 立入検査の対象となる行為
東京都,京都府,福岡県及び佐賀県においては,事業者に対する立入検査の規定が設けられています。
(エ) 勧告の適用除外となる場合
東京都,京都府及び福岡県においては,勧告の適用除外となる場合の規定が設けられています。
(オ) 契約解除要求の対象となる行為
和歌山県及び長崎県においては,契約解除要求の対象となる行為についての規定が設けられています。
(カ) 公表の対象となる行為
各都道府県において,公表の対象となる行為に差異がみられます。
(キ) 入札に参加させない等の対象となる行為
静岡県,和歌山県,広島県,佐賀県及び長崎県においては,入札に参加させない等の対象となる行為についての規定が設けられています。
(ク) 中止命令・再発防止命令の対象となる行為
東京都,山梨県,兵庫県,福岡県及び熊本県においては,事業者に関係する中止命令・再発防止命令の規定が設けられています。
(ケ) 罰則の対象となる行為
北海道,埼玉県,東京都,新潟県,石川県,福井県,山梨県,静岡県,愛知県,京都府,兵庫県,福岡県,佐賀県,熊本県及び沖縄県においては,事業者に関係する罰則の規定が設けられています。